周波数精度はラジオ局より高いかも・・・

FG編ページへ

ファンクション・ジェネレータをAM送信機のエキサイターに使うというアイデアは、実用性もあり決して悪くはなかった。
しかし、使い込んでいくうちに、FGと言えど所詮はCR発振器を複雑化させたものに過ぎないという気がしてきた。温度や湿度などの要因、部品の経年変化等によって、周波数がドリフトするなら、Tr一石のコルピッツで十分ではないか・・・と。

「猫に小判」は承知の上で、秋月電子よりDDSキットを買い込みさっそく作ってみた。
ウェルパイン社カスタムDDSチップとD/A変換用の抵抗アレイが取り付済みの基板に、ディップスイッチ、FET、水晶発振子、CR類をマウントしていくだけで出来上がる。
LPF部分は、カットオフをさらに低くしたいところだが、このまま使用することにする。

 

自作DDS発振器セット内部

RF-AMP部の回路図は こちらを参照。

送信機本体との接続

 

DDSの動作原理については SPECTRUMの館 さん等で読んでいただくことにしたいが、ざくっと表現すると、メモリー内に書かれたサイン波のデータを、取り出したい周波数に応じて間引き取りして波形を生成し、最後にD/A変換をする方式だと思えばよい。
基準発振周波数は 67.108864MHz と中途半端な数字だが、これは2の26乗値であり、これによって正確な1Hzステップの出力が得られる。

DDS基板の出力は無負荷でも0.8Vp-p程度、負荷時で0.5Vp-p程度だ。出力可変型のエキサイターというコンセプトなので、このままアッテネータで絞る使いかたをすれば、明らかにパワー不足となる。 そこで TR 2石を使った簡単なアンプを組み合わせてみた。これにより、最大2Vp-pまで連続可変できるエキサイターが出来上がった。( 回路図を参照のこと)
なお、アンプ基板にスペース的な余裕があったので、5V三端子レギュレータを使った電源をセットし、DDS本体にもそこからパワーを供給することにした。

さっそくFG編でご紹介した送信機本体についないで動作をさせてみた。これ以上望むべくもない周波数の正確さと安定度については、安心と信頼感がある。変調音もどっしりとした落ち着きが感じられる・・・がここまで書くと、自己満足の世界をさらに越えてしまっているのだろう。入力レベルについては、この送信機本体の場合、0.8Vp-p前後で無理なく高出力が得られていたので、このDDS基板をエキサイターとして使用する場合には、アンプは不要ということになるだろう。

パラレル制御時のディップスイッチ
設定ユーティリティ (Excelワークシート

同DDSキットは、周波数を決定するのにパラレルとシリアルの制御モードを選択できる。連続可変しようと思えば、別途マイコンを使ったシリアル・コントローラが必要となる。AM送信機の場合は周波数を半固定で使うことが多いので、パラレルで十分と判断し、ディップスイッチのみを使用することにした。

しかし、24ビット(24桁の二進数)と十進数の変換計算は非常に面倒なので、エクセルを使って相互変換ができるようなユーティリティを作ってみた。
各ビットのディップスイッチを上下させたときに、出力周波数がどうなるのかを示す機能、反対に周波数を指定するとディップスイッチのポジションが示される二つの機能を持っている。実使用にあたっては後者の機能を多用することになるだろう。

DDSの出力波形  1000KHz

ほぼ完璧なサイン波だが、よく見るとピーク部分に小さな階段状の模様が確認できる。BPFの入力部分で測定するとさらに目立ってくる。

送信機の変調波形
RF 1000KHz / Mod 1KHz

オシロスコープで見た変調波形。ほぼ理論通りの100%近い変調だが、これもよく見るとピークがやや丸くなっている。ソフトリミッターがかかっていると思うことにしよう。