ラジオがデジタル化されても大丈夫!

ちょっと気合を入れて送信機を作ってみた・・・

外観

周波数640KHzまたは1000KHZ  出力5mW

なんでもかんでもデジタルの時代だ。そのうち、電化製品はもちろんのこと、有史以来ひたすら寡黙であった家具や台所用品にまで、マイクロチップが埋め込まれて、電網の末端で饒舌にしゃべり出す時代が来るかもしれない。

言わずもがな、ラジオがデジタル化するのは時間の問題。実際、これを書いている翌月には東京、大阪でデジタルラジオ(VHF)の試験放送が始まる。

一世紀近い伝統をもつ振幅変調の音がなくなるのではないか・・・そうなったら、この館内にある百台余の我が子たちはいったいどうなってしまうのか・・・。
関係筋のサイトにあたってみると、従来のラジオ放送は当面存続されるようではある。また考えてみれば、AM帯にデジタルの帯域を確保することは難しいだろう。しかし、一抹の不安は残る。こうなったら自前でAM放送局を作るしかない!・・・等々思いつめた結果、左画像のようなミニ送信機をでっち上げてみた。

かつては「電子工作入門」のエントリー・アイテムであったAMワイヤレス装置だが、実際作ってみると、実に奥が深い。FMのステレオ送信機を作るほうがはるかに簡単だということがわかってくる。

自作送信機の基板

入門書丸写しの回路では芸がない・・・というよりも実用レベルに持ってあがるには、いろんな工夫をせざるを得ない。

@周波数の安定・・・セラロックを使ったデジタル発振(周波数固定)。安定化電源内蔵
Aスプリアス低減・・・原発振がデジタルなので特に気を使って、マルチ同調回路を採用。
B深い変調・・・変調段VCCをフルスイングさせるIC直接変調
C変調レベルの監視・・・VU計は必須。駆動のためにも1石投じた。できればピーク監視もしたいところ。

送信波形

AM送信機の最大の課題は変調の質かもしれない。直線性が良く、100%変調(電源電圧一杯までフルスイング)をかける仕組みが必要になる。

画像は入力(1KHz)とアンテナ端子の出力を2現象のシンクロスコープで眺めたところ。ほぼ教科書通りの100%変調波形が得られた。
実際のオーディオ信号はさらにダイナミックに変化するから、やはりリミッタやコンプ、ALC(AVC)などが必要になるだろう。

とりあえず入力端子に信号を入れれば音は出る。しかし、実際の放送と聴き比べると、格段に音が違う

聞き取りやすい音の追求、送信機の電力効率向上、側波帯の制限など、やはりプロはやれるだけの事をやっている。その結果があの音なのだ。

とりあえず素人でもできるのが、F特性の最適化。過変調をまねきやすい低音と、側波帯域を広げてしまう高音を適当なところでカットして、いわば「かまぼこ型」のF特性を得るようにする。

今回は本体内への回路組み込みをあきらめ、シスコン用のグラフィック・イコライザを使ってみた。写真では100Hz〜5KHzをフラットにし、両脇をかなり急峻にカットしてみた。

実際の送信機周辺

さてさて、お楽しみとまいりましょうか・・・

技術的には、まだまだやることが残っているのだろうけれども、とりあえず音出しを急ぐ。(いくつになっても、このはやる気持ちは変わらないね・・・)

昭和9年製の並三ラジオに久々に灯をともして受信させてみた。おーおー、聞えるぞ・・・昔聴いたあの音が・・!

Phono端子にオーディオソースを直接いれるのとはまた一味違った音が出てくる。デジタルではこのシミュレートは絶対できないね。

蛍光灯からのノイズ。近接局とのビート音、軽いハム音など、嫌われ者たちがこぞってムード・メーカーとして働いてくれている。

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