缶ジュース一本だって買えないぞ!

信じられないかもしれないが、いまや、色付きの砂糖水に香料を混ぜ込んだだけのジュースよりも、ラジオの方が安いのである。デフレスパイラルの金字塔の頂点で、このラジオは燦然と輝いておるんですな。

中国でこのラジオを作っている労働者達は、一台につきどのぐらいもらっているんだろう。ユニクロの社長もびっくりするぐらい、阿漕(あこぎ)な現場監督が、鞭を振り回しているに違いない。イヤフォンを通じて彼国労働者達の悲鳴を聞くべし。

【特徴】
中身は3石スーパー、回路図を見てみるとラジオの教科書に出てくるような基本回路そのままであり、無駄のムの字もない。ちゃんとAGC回路もついているが、感度の悪さからすると、これが作動するチャンスはないのではないかと思われる。
電池やイヤフォンの方が高くなりそうなので、これも同時に100円で購入しておくこと。というわけで正確には300円ラジオです。

ダイソー 100円AMラジオ

【仕様】
AM専用 単四電池2本使用
出生地(もちろん)中国

ダイソー 100円FMラジオ

価格破壊が極端に進行していくと一体どうなるのか・・・きっとモノは形だけが残り、本質は消失するのだろう。寿司の格好をした寿司、自動車の格好をした自動車、家の格好をした家 etc etc・・・これらを人の格好をした人が黙々と消費していくのである。

ラジオの世界でこの運命を極めたのが本ラジオである。ここまで来ると「もう音など出なくてもよい」のである。味わいとか手触りなどは問題外、ただ「持つ」ことに意義があるのだ。黙々と聴くがよろし。

【仕様】
FM専用 単四電池2本使用
出生地(言うまでもないでしょ)中国

【特徴】
LA1800というワンチップのアナログLSIと、イヤフォン駆動用のトランジスタで構成されている。送信所の近くへ寄っていけばよく聞こえるかも。周波数が動きまわるので、ダイヤルに指をずっとかけておくことね。

Crystalshop AMラジオ

こちらはダイソーと同じような100均ショップの Crystalshop で買ったラジオだ。こちらの方はスピーカー内蔵で、別売のイヤフォンなどを買い足す必要のない「正真正銘の」百均ラジオとなっている。ダイソーラジオで価格破壊を論じたが、上には上(「下には下」と書くべきか・・・)があった。

黒と赤の二つのバージョンは、デザインがかなり異なるが、中身はまったく同じものである。製造年がわからないが、Solid State の文字や、KCという周波数表示から見ると、70年代より以前のデッドストック品が掘り起こされていきなり市場に出てきたものかもしれない。

【仕様】
AM専用 単三電池2本使用
出生地 やや昔の中国

【特徴】
上記ダイソーの3石スーパーにパワー段が付加された5石スーパーだ。Trは9000番から始まる中国規格のものが使われている。

とても可愛いらしいパワートランスが使ってあるが、SPの能率が良いのか、結構大きな音が出る。スピーカーには Red Lantern の名が・・・中国風赤提灯のイラストもついていて、ラー油の香りが漂ってくる。

感度、音質共特に問題なく、実用性十分だ。100円ラジオとしては極めて優秀だ。